大腸CT検査

大腸CT検査とは

大腸CT検査とは、内視鏡を使わずに大腸のがんやポリープを見つけることが出来る検査です。炭酸ガスを使用して大腸を膨らませ、CTで撮影することで3次元の大腸画像を作成できます。内視鏡検査と比べても、大腸を膨らませることによるお腹の張りや痛みが少なく、短時間で検査を終えることが出来ます。近年では、ドラマやニュースなどでも取り上げられ注目されている大腸検査のひとつです。

(図1) 仮想注腸像 
(図2) 仮想内視鏡像
大腸の長さや形が一目で分かる仮想注腸像(図1)や、大腸内視鏡で大腸の中を観察しているような仮想内視鏡像(図2)を作成できます。

大腸内視鏡画像と仮想内視鏡画像の比較

矢印に示す部分が病変部位です。左側で示すようなポリープや大腸がんが、それぞれ右図のように写ります。大腸がんに多い6mm以上の隆起性病変の場合、大腸CT検査での検出率は内視鏡検査に劣らないと言われています。

  • ポリープ1
    大腸内視鏡像
    仮想注腸像
  • ポリープ2
    大腸内視鏡像
    仮想注腸像
  • 大腸がん
    大腸内視鏡像
    仮想注腸像

大腸CT検査の長所と短所

長所
  • 約15分程度で検査が終わる
  • お腹全体を撮影するため、大腸だけでなく他の臓器も病変を見つけることが出来る
  • 大腸を膨らませる炭酸ガスはすぐに体へ吸収されるため、苦痛が少なく、合併症も稀である
  • 大腸内視鏡の挿入が困難で検査が難しい場合でも、大腸CTなら検査可能
  • 大腸内視鏡検査では観察が難しい大腸のヒダの裏側も、大腸CTなら検出可能
  • CTで撮影した画像情報を用い、3次元で作成するため大腸全体の走行や形も観察できる
  • 大腸内視鏡のようにたくさんの下剤を必要とせず、コップ1杯程度の下剤で検査可能
短所
  • 大腸内視鏡では可能な病変の色や硬さの評価は大腸CTでは困難
  • 病変の組織を採って調べることができないため、大腸CT検査で異常が見つかった場合は大腸内視鏡検査が必要
  • 医療被ばくを伴うため、妊娠している方は検査ができない
  • 平坦な病変や、5mm以下のポリープ病変の観察は大腸内視鏡検査の方が優れる

当院で行う大腸CT検査の特徴

  1. 最新のCT装置でX線CT認定技師免許を取得している技師が担当して撮影するため、最小限の被ばく、出来る限り短い検査時間で検査可能です。
  2. 消化器専門の内科医・外科医が在籍しているため、大腸CTで病変がみつかった場合は大腸内視鏡での切除や外科的手術などスムーズに行うことができます。
  3. 当院では炭酸ガスを使用して大腸を膨らませるため、検査終了後約10分程度でお腹の張りは無くなります(空気の約150倍吸収が早いと言われています)。

大腸CT検査の流れ

検査前日
  • 朝食、昼食、夕食に検査用のごはんを食べていただき、毎食後に少量の検査用造影剤を飲んでいただきます。
  • 夜にコップ1杯程度(約200cc)の下剤(マグコロール)を飲んでいただきます。
  • 寝る前に下剤(錠剤)を飲んでいただきます。
※服用している薬がある場合は事前にご相談ください。
検査当日

当日は何も食べずに検査予約時間の30分前にご来院ください。

  • 検査時間になりましたら、その時の便の状態を確認し、検査可能であれば検査開始です。
  • 検査着に着替えて頂き、腸の動きを抑制する筋肉注射 (ブスコパン) をします。※1
  • CTのベッドに横向きの状態で寝て頂き、肛門から太さ約1cm程度のチューブを入れ、炭酸ガスを注入していきます。
  • ある程度お腹が張った状態で、仰向きとうつ伏せの2回撮影して終了です。※2
  • 撮影が終わったら、専用のお腹の炭酸ガスとチューブを抜いて終了です。(検査が終わってから10分程度でお腹の張りは無くなります。)

検査時間は15分程度です。

※1 かかったことのある病気や現在治療中の病気によっては注射しない場合もあります。 ※2 基本は2回撮影ですが大腸の形、長さによっては横向きの撮影も追加することがあります。

大腸CT検査は、
お腹の張りに対する痛みや、
下剤を飲む苦痛が本当に少ない検査です。

気になる方は
主治医の先生に相談して頂くか、
病院に気軽にご連絡ください。